入門編 01 / 10 入門 約7分

ノーコードとは何か|市場の現在地と、いま学ぶ意味

ノーコードがなぜ広がったのか、Web制作の仕事がどう変わりつつあるのかを図解で整理します。ツールの操作を覚える前に、自分がどの市場に入ろうとしているのかを把握するための1本目です。

この教材で学べること

  • ノーコードが指す範囲と、従来の制作との違い
  • なぜ制作の一部がノーコードに置き換わってきたのか
  • Web制作の仕事のうち、価値が移っている領域

ノーコードとは、プログラムのコードを書かずにアプリやWebサイトを作る手段の総称です。特定の会社の商品名ではなく、そういう作り方をするツール群をまとめてこう呼びます。この教材の主役であるStudioは、その中の「Webサイト制作」に特化した1つです。

ノーコードが指す範囲

ひとくちにノーコードと言っても、扱う領域はかなり広く分かれています。どの領域のツールなのかを取り違えると、「Studioで予約システムを作れますか」といった噛み合わない相談が生まれます。まず地図を持ってください。

領域作るもの代表的なツール
Webサイト制作コーポレートサイト、LP、ポートフォリオStudio、Wix、ペライチ
業務アプリ社内の管理画面、在庫・顧客管理kintone、Bubble
自動化ツール間のデータ連携、通知Zapier、Make
ECネットショップShopify、BASE
情報管理ドキュメント、データベースNotion、Airtable

この教材が扱うのは、いちばん上の「Webサイト制作」の列だけです。ここが自分の入口だと決めてしまえば、覚えるべきことは一気に絞れます。

なぜコードを書かない作り方が広がったのか

理由はシンプルで、Webサイトに求められる要件の大半が、すでに定型化しているからです。会社を紹介する、サービスを説明する、問い合わせを受け取る——この3つで足りるサイトが世の中の多数を占めます。定型なら、毎回ゼロから書く必要はありません。

Web制作の要件が定型化し、作り方が変わったことを示した図 かつて 要件がばらばら → 毎回ゼロから実装 作れる人が限られ、費用も期間もかかる 依頼できるのは体力のある会社だけ いま 要件の大半が定型 → 型を組み合わせる 作れる人が増え、期間も費用も下がった 小規模事業者にも依頼が届くようになった
図1:作り方が変わったというより、依頼できる相手の裾野が広がった

ここで大事なのは、「制作費が下がった」ことと「仕事が減った」ことは別だという点です。1件あたりの単価が下がる代わりに、これまで発注できなかった規模の事業者が発注できるようになり、母数そのものが増えています。

価値が移っている場所

とはいえ、作れる人が増えれば「作れること」自体の希少性は下がります。これから伸びるのは、作る前と作った後の領域です。実際に案件の相談を見ていると、報酬が動くポイントは次のように分かれています。

工程希少性いま起きていること
何を作るか決める(要件整理)高いここを言語化できる人が慢性的に足りない
デザインを作る中参考が豊富で、型を覚えれば近づける
実装する下がっているツールとAIで置き換わりつつある領域
公開後に運用・改善する高い継続収入になりやすく、競合が少ない

つまり、操作だけを覚えて終わると、いちばん置き換わりやすい場所に立つことになります。この教材が入門編で市場の話から始めているのは、そのためです。操作は第2章以降で扱いますが、上下の工程を意識しながら学んでください。

もうひとつ、頭に入れておきたい変化があります。ノーコードの強みは長らく「速く作れること」でしたが、AIで誰でも速く作れるようになり、その強みは薄れました。これからノーコードが効くのは、速さよりも「作った後の運用と、お客様が自社で使いこなせる定着」の側です。ここはノーコードサロンの中心的な考え方なので、AI時代にWeb制作を学ぶ意味で詳しく掘り下げます。

この章で扱うこと

入門編では、Studioというツールの位置づけ(次のレッスン)、他ツールとの比較、できること・できないこと、料金、制作の全体像、学び方、そしてAI時代にどう構えるかまでを扱います。手を動かすのは第2章からです。次のレッスンに進んでください。

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